ベルトスリング(スリングベルト)の選び方|幅・使用荷重表と廃棄基準

JIS B 8818 の等級(3等級・4等級)と幅ごとの最大使用荷重

ベルトスリング(両端アイ形・III等級/IV等級)は、日本産業規格 JIS B 8818(ウェブスリング)でベルト幅ごとの基本使用荷重(ストレート吊り1本の最大使用荷重)が定められています。安全係数はワイヤロープ(6以上)より厳しい「8以上」(またはJIS規格の破断試験基準)で設計されています。

ベルト幅JIS 3等級(III等級・主流)JIS 4等級(IV等級・高強度)主な用途・対象荷の目安
25mm0.8 t (800 kg)1.0 t小型部品・軽量資材
35mm1.25 t (1,250 kg)1.6 t1t前後の機械・パレット・木材
50mm1.6 t (1,600 kg)2.0 t現場の標準サイズ(2本吊り60°で約2.7tまで)
75mm2.5 t (2,500 kg)3.2 t中型工作機械・鋼材・コンクリート二次製品
100mm3.2 t (3,200 kg)4.0 t重量機械・大型ユニット(2本吊り60°で約5.5t)
150mm5.0 t (5,000 kg)6.3 t大型重量物

吊り方(ストレート・チョーク・バスケット)による使用荷重の変化

同じベルトスリングでも、荷への掛け方(モード係数)とつり角度によって吊れる重さが変わります。掛け方の詳細は玉掛けの掛け方の種類(目通し吊り・あだ巻き吊り・半掛け吊り)もあわせてご覧ください。

ベルト幅(JIS 3等級)1本ストレート吊り(1.0倍)1本チョーク吊り/目通し(0.8倍)2本吊り(つり角度60°・約1.73倍)2本チョーク吊り(角度60°・約1.38倍)
25mm0.8 t0.63 t1.38 t1.10 t
35mm1.25 t1.0 t2.16 t1.72 t
50mm1.6 t1.28 t2.77 t2.21 t
75mm2.5 t2.0 t4.33 t3.45 t
100mm3.2 t2.56 t5.54 t4.42 t

廃棄基準(シグナルライン露出・擦り傷・薬品・熱)

クレーン等安全規則 第220条により、著しい損傷や腐食があるベルトスリングは使用禁止です。JIS規格のベルトスリング(3等級・4等級)には、表層の織り糸の下に赤い芯糸(シグナルライン・危険信号糸)が織り込まれています。

  • 使用限界標示(赤い芯糸・シグナルライン)が1箇所でも見えたもの → 即廃棄
  • 幅方向の切り傷(耳切れ)がベルト幅の10%以上あるもの、または厚さ方向の切り傷があるもの → 即廃棄
  • アイ(輪)の部分の縫い糸が切れている・ほつれているもの → 即廃棄
  • 100℃以上の高温物に接触して溶融・変色・硬化したもの、酸・アルカリ等の薬品を浴びたもの → 即廃棄
  • 使用荷重の表示タグ(銘板)が消えて読めなくなったもの → 使用不可

現場での選び方とおすすめ規格品

  • 迷ったら「JIS 3等級・幅50mm・長さ3m〜5m」を2本ペアで揃える:2本吊り(つり角度60°以内)で約2.7トンまで対応でき、多くの倉庫・工場・建設現場の荷役をカバーできます。
  • 角当て(コーナーパッド・補強筒)をセットで使う:ベルトスリングは鋼材の鋭い角(エッジ)に当たると一瞬でスパッと切れます。専用の当て物(パット)を必ず通して使ってください。

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