玉掛け技能講習 学科試験の練習問題30問(解説・根拠つき)

玉掛け技能講習の学科試験は、「クレーン、移動式クレーン、デリック及び揚貨装置に関する知識」(1時間)「クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識」(3時間)「クレーン等の玉掛けの方法」(7時間)「関係法令」(1時間)の4科目です(玉掛け技能講習規程 昭和47年労働省告示第119号)。合格の基準は告示に書かれていないので、受ける講習機関で確かめてください。

このページの問題は、法令・告示や厚生労働省の資料などをもとに作った練習問題で、実際の試験問題ではありません。根拠は2026年10月8日に確かめています。

学科試験の科目と時間は?

学科講習は4科目・合計12時間です。クレーン・デリック運転士免許や移動式クレーン運転士免許を持っている人、床上操作式クレーン・小型移動式クレーンの技能講習を修了した人などは、「玉掛けに必要な力学」の3時間などが免除されます(規程第3条)。

科目(告示の名前)時間このページの問題
クレーン、移動式クレーン、デリック及び揚貨装置に関する知識1時間6問
クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識3時間9問
クレーン等の玉掛けの方法7時間9問
関係法令1時間6問

試験の形式や、講習所が案内している合格の基準の例は玉掛け技能講習の試験と計算問題にまとめています。

各問題の「答えと解説」を開くと、正解と解説、根拠(条文や資料)が見られます。

クレーン等に関する知識の問題(6問)

  1. 問1労働安全衛生法施行令で定める「移動式クレーン」の説明として、正しいものはどれか。

    1. 原動機を別の場所に置き、ワイヤロープを介して操作するクレーン
    2. 建屋に敷いた走行レールの上を移動して、決まった範囲で荷を運ぶクレーン
    3. 船舶に取り付けて、船への荷の積込みや船からの荷降ろしに使うクレーン
    4. 原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動させることができるクレーン
    答えと解説

    正解:4 原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動させることができるクレーン

    施行令第1条第8号は、移動式クレーンを「原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動させることができるクレーン」と定めています。原動機を別に置いてワイヤロープで操作するのはデリック、走行レールの上を動くのは天井クレーンなどの走行クレーン、船舶に取り付けるのは揚貨装置の説明です。

    根拠:労働安全衛生法施行令 第1条第8号/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第1章 2.1 クレーン等の定義(p.4)

  2. 問2ジブの起伏について、正しいものはどれか。

    1. ジブの傾斜角が大きくなる方向の運動を「ジブ上げ(ジブ起し)」という
    2. ジブの傾斜角が大きくなる方向の運動を「ジブ下げ(ジブ伏せ)」という
    3. ジブの傾斜角とは、ジブの中心線と鉛直線とがなす角度のことをいう
    4. 普通のジブクレーンでは、ジブを起伏させてもつり荷の高さは変わらない
    答えと解説

    正解:1 ジブの傾斜角が大きくなる方向の運動を「ジブ上げ(ジブ起し)」という

    ジブの傾斜角は、水平面に対するジブ中心線の角度です。この角度が大きくなる向きの運動をジブ上げ(ジブ起し)、小さくなる向きをジブ下げ(ジブ伏せ)といいます。普通のジブクレーンでは、ジブを起伏させると、つり荷も一緒に上下します。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第1章 3.4 起伏(p.6)

  3. 問3「つり上げ荷重」の説明として、正しいものはどれか。

    1. 構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重で、つり具の質量を含む
    2. 構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重から、つり具の質量を除いたもの
    3. その作業で実際につり上げる荷の質量に、玉掛け用具の質量を加えたもの
    4. 定格荷重に相当する荷をつって作動させたときの、それぞれの最高の速度
    答えと解説

    正解:1 構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重で、つり具の質量を含む

    施行令第10条第1号は、つり上げ荷重を、クレーン・移動式クレーン・デリックの構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重としています。フック等のつり具の重さもこの中に入ります。そこからつり具の質量を除いたもの(ジブのないクレーンの場合)は定格荷重で、実際につる荷の質量とは関係ありません。最高の速度は定格速度です。

    根拠:労働安全衛生法施行令 第10条第1号/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第1章 4.1 つり上げ荷重(p.8)

  4. 問4移動式クレーンの「定格総荷重」について、正しいものはどれか。

    1. 定格荷重から、フックなどつり具の重さを引いた荷重で、作業半径によらず一定である
    2. つり上げ荷重に玉掛け用具の質量を加えた荷重で、積載形トラッククレーンだけで使われる
    3. アウトリガーを使わない状態でつることのできる荷重で、定格荷重より必ず小さい
    4. 定格荷重に、フックなどつり具の重さを足した荷重で、その最大値がつり上げ荷重となる
    答えと解説

    正解:4 定格荷重に、フックなどつり具の重さを足した荷重で、その最大値がつり上げ荷重となる

    定格総荷重は、定格荷重に、フックなどつり具の重さを足したものです。移動式クレーンは作業に合わせてフックを付け替えることが多く、フックが替わると定格荷重も変わってしまうので、つり具込みの定格総荷重で性能を示すのが普通です。定格総荷重のうち一番大きい値が、つり上げ荷重です。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(小型移動式クレーン運転) 第1章 1.1.3(5)(6) 定格荷重・定格総荷重(pp.5-6)/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第1章 4.3 定格総荷重(p.8)

  5. 問5クレーン構造規格で、巻過防止装置(直働式以外のもの)は、つり具の上面とドラム、シーブ等の下面との間隔がいくら以上となるよう調整できる構造とされているか。正しいものはどれか。

    1. 0.05メートル以上
    2. 0.5メートル以上
    3. 0.25メートル以上
    4. 1メートル以上
    答えと解説

    正解:3 0.25メートル以上

    クレーン構造規格第25条第1項は、巻過防止装置を、自動的に動力を遮断し作動を制動する機能を持ち、つり具の上面と、ドラム・シーブ・トロリフレームなど接触するおそれのある物の下面との間を、0.25メートル以上(直働式なら0.05メートル以上)に調整できる構造としています。クレーン則第18条も、事業者に同じ間隔となるよう調整しておくことを求めています。1メートルは、内燃機関を動力とするものに備える巻過ぎ防止の警報装置が作動するまでの間隔です。

    根拠:クレーン構造規格(平成7年労働省告示第134号) 第25条第1項/クレーン等安全規則 第18条/厚生労働省 技能講習補助教材(床上操作式クレーン運転) 第1章 5.1 巻過防止装置(p.14)

  6. 問6フックの外れ止め装置について、正しいものはどれか。

    1. つり荷が定格荷重を超えたときに、フックを開いて荷を離すための装置である
    2. 玉掛け用ワイヤロープ等がフックから外れるのを防ぐ装置で、ばね式やウエイト式がある
    3. フックがくるくる回らないように固定しておくための装置で、ばね式と油圧式の二つがある
    4. つり荷の重さを量り、定格荷重を超えそうになると警報を出す装置である
    答えと解説

    正解:2 玉掛け用ワイヤロープ等がフックから外れるのを防ぐ装置で、ばね式やウエイト式がある

    外れ止め装置は、玉掛け用ワイヤロープ等がフックから外れることを防ぐ装置で、クレーン構造規格第32条・移動式クレーン構造規格第32条でフックに備えることとされています。スプリング(ばね)式やウエイト式があります。荷の重さを量ったり、フックの回転を止めたりする装置ではありません。

    根拠:クレーン構造規格(平成7年労働省告示第134号) 第32条/移動式クレーン構造規格(平成7年労働省告示第135号) 第32条/厚生労働省 技能講習補助教材(床上操作式クレーン運転) 第1章 5.4 外れ止め装置(p.16)/厚生労働省 技能講習補助教材(小型移動式クレーン運転) 第1章 1.5.4 外れ止め装置(p.35)

玉掛けに必要な力学の問題(9問)

  1. 問7外径0.6メートル、厚さ0.02メートル、長さ5.0メートルの鋼管の質量は約何トンか。体積は薄肉円筒の略算式「外径×厚さ×長さ×3.1」で求め、鋼の1立方メートル当たりの質量は7.8トンとする。

    1. 約0.19 t
    2. 約2.90 t
    3. 約14.5 t
    4. 約1.45 t
    答えと解説

    正解:4 約1.45 t

    体積=0.6×0.02×5.0×3.1=0.186 m³。質量=7.8×0.186≒1.45 t。0.19 tは体積の値をそのまま答えたもので、14.5 tは小数点の位置を誤ったもの。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第2章 2.1 質量(表2-2 体積の略算式、p.18)/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第2章 2.1 質量(m=d×V、表2-1、p.17)/計算問題(数値は問題文で与えた)

  2. 問8質量4トンの荷を、玉掛け用のワイヤロープ2本による2本2点つりで、つり角度60度でつる。ワイヤロープ1本に作用する荷重は何トンか。つり角度60度の張力係数は1.16とする。

    1. 4.64 t
    2. 2.32 t
    3. 2.00 t
    4. 1.72 t
    答えと解説

    正解:2 2.32 t

    1本に作用する荷重=(つり荷の質量÷掛け数)×張力係数=(4÷2)×1.16=2.32 t。張力係数を掛け忘れると2.00 t、掛け数で割り忘れると4.64 tとなり誤り。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第2章 6.2 玉掛け用ワイヤロープの選定計算(張力係数による方法、p.35)/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第3章 1.2 玉掛け用ワイヤロープの安全荷重(表3-1 張力係数、p.39)/計算問題(数値は問題文で与えた)

  3. 問9同じ質量の荷を同じ掛け数でつるとき、つり角度と、ワイヤロープ1本にかかる張力の関係として、正しいものはどれか。

    1. つり角度が大きいほど、1本にかかる張力は大きくなる。
    2. つり角度が大きいほど、1本にかかる張力は小さくなる。
    3. つり角度を変えても、1本にかかる張力は変わらない。
    4. つり角度が90度のときに、1本にかかる張力は最も小さくなる。
    答えと解説

    正解:1 つり角度が大きいほど、1本にかかる張力は大きくなる。

    荷の重さを支えるのは各ロープの張力の合力なので、ロープが開くほど1本当たりの張力は割り増しになる。張力係数はつり角度0度で1.00、60度で1.16、120度で2.00と大きくなるため、太いロープが必要になる。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第2章 6.1(張力係数、図2-26、p.33〜34)/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第3章 1.2 玉掛け用ワイヤロープの安全荷重(表3-1 張力係数、p.39)

  4. 問10玉掛けに使うワイヤロープで、切断荷重が117.6キロニュートンのものの基本安全荷重は何トンか。安全係数は6とし、基本安全荷重(t)=切断荷重(kN)÷(9.8×安全係数)で求める。

    1. 19.6 t
    2. 12.0 t
    3. 2.0 t
    4. 72.0 t
    答えと解説

    正解:3 2.0 t

    基本安全荷重=117.6÷(9.8×6)=117.6÷58.8=2.0 t。9.8で割り忘れると19.6 t、安全係数で割り忘れると12.0 tとなる。基本安全荷重は、ロープ1本で垂直につるときの最大の荷重である。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第2章 6.1 ワイヤロープ,チェーン等の安全係数及び安全荷重(p.31〜32)/計算問題(数値は問題文で与えた)

  5. 問11荷をつっている玉掛け用ワイヤロープに、ロープの長さ方向にかかる荷重の種類として、正しいものはどれか。

    1. 圧縮荷重
    2. せん断荷重
    3. 引張荷重
    4. ねじり荷重
    答えと解説

    正解:3 引張荷重

    引張荷重は材料を引き伸ばす向きに働く荷重で、荷をつり下げているワイヤロープが受ける荷重がその例である。圧縮荷重は押し縮める荷重、せん断荷重ははさみで切るように働く荷重、ねじり荷重は軸をねじる荷重である。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第2章 5.1 荷重(p.27〜29)

  6. 問12動滑車1個を使って、重さ3,000ニュートンの荷をつり上げる。ロープを引く力は何ニュートンか。滑車の摩擦と滑車の重さは考えないものとする。

    1. 3,000 N
    2. 6,000 N
    3. 750 N
    4. 1,500 N
    答えと解説

    正解:4 1,500 N

    動滑車は荷を2本のロープで支えるので、引く力は荷の重さの半分で済む。3,000÷2=1,500 N。その代わり、荷を1メートル上げるにはロープを2メートル引く必要がある。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第2章 4.2 動滑車(p.25)/計算問題(数値は問題文で与えた)

  7. 問13長さ1.2メートルの天びん棒の両端に、質量30キログラムの荷と質量10キログラムの荷をつるした。棒を水平に保って肩で担ぐには、30キログラムの荷の側の端から何メートルの位置を支えればよいか。棒の質量は考えないものとする。

    1. 0.3 m
    2. 0.9 m
    3. 0.6 m
    4. 0.4 m
    答えと解説

    正解:1 0.3 m

    肩まわりのモーメントがつり合う位置を求める。30キログラム側の端からの距離をxとすると、30×x=10×(1.2−x)より、x=1.2×10÷(30+10)=0.3 m。重い荷の側に肩を寄せることになる。0.9 mは10キログラム側から測った値である。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第2章 1.4 力の釣り合い(p.16)/計算問題(数値は問題文で与えた)

  8. 問14形の複雑な物体の重心の位置を、物体をつって求める方法として、正しいものはどれか。

    1. 1か所でつり、そのとき物体のいちばん低い位置にある点を重心とする。
    2. 異なる2か所でつり、各つり点から真下に引いた線の交点を求める。
    3. 異なる2か所でつり、2つのつり点を結んだ線の中点を重心とする。
    4. つり点の位置にかかわらず、物体の外形のちょうど中心を重心とする。
    答えと解説

    正解:2 異なる2か所でつり、各つり点から真下に引いた線の交点を求める。

    物体をひもでつると、重心はつり点の真下にくる。そこで、つる位置を変えて2回つり、それぞれのつり点から鉛直に下ろした線の交点を求めれば、それが重心である。重心は物体の外側にあることもある。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第2章 2.3 重心(p.19〜20)

  9. 問15基本安全荷重が1.6トンの玉掛け用ワイヤロープ2本で、2本2点つり、つり角度60度でつる。このときの安全荷重は約何トンか。安全荷重は「基本安全荷重×掛け数÷張力係数」で求め、つり角度60度の張力係数は1.16とする。

    1. 約3.71 t
    2. 約2.76 t
    3. 約1.38 t
    4. 約3.20 t
    答えと解説

    正解:2 約2.76 t

    安全荷重=1.6×(2÷1.16)≒2.76 t。張力係数で割らずに掛けると約3.71 t、掛け数を掛け忘れると約1.38 tとなり誤り。張力係数を考えない3.20 tは、ロープを垂直にしたときの値である。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第3章 1.2 玉掛け用ワイヤロープの安全荷重(安全荷重の求め方、p.38)/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第3章 1.2 玉掛け用ワイヤロープの安全荷重(表3-1 張力係数、p.39)/計算問題(数値は問題文で与えた)

玉掛けの方法の問題(9問)

  1. 問16荷に目通しで深く絞って掛ける「1本つり」を、原則として行わない理由として、正しいものはどれか。

    1. ワイヤロープ1本では、つり荷の正確な質量を確かめられないから
    2. 1本つりは、フックの外れ止め装置が働かない掛け方だから
    3. 荷が回ると、ワイヤロープのよりが戻って抜けるおそれがあるから
    4. ワイヤロープ1本では、つり角度が大きくなりすぎるから
    答えと解説

    正解:3 荷が回ると、ワイヤロープのよりが戻って抜けるおそれがあるから

    1本でつると、つり荷が回転したときにロープのよりが戻り、絞った部分が緩んで抜けることがある。そのため1本つりは原則として行わず、2本以上でつる。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第3章 1.3【使用上の注意事項】(p.43〜44)/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第4章 4.2 つり荷に掛ける方法(1本つり、p.77)

  2. 問17荷をわずかに地切りした直後の手順として、正しいものはどれか。

    1. いったん止めて荷と玉掛けの状態を確かめ、悪ければ下ろして掛け直す。
    2. 地切りしたら止めずに、そのまま運搬できる高さまで一気に巻き上げる。
    3. 荷が傾いていたら、つったまま手で押して水平に直してから巻き上げる。
    4. 荷の安定は、目的の場所に着いて荷を下ろしてから確かめればよい。
    答えと解説

    正解:1 いったん止めて荷と玉掛けの状態を確かめ、悪ければ下ろして掛け直す。

    荷を少しだけ地切りしたらいったん止め、荷が水平で安定しているか、ロープの張り具合はよいかなどを確かめて、巻き上げてよいかを最終的に判断する。不具合があれば荷を下ろしてやり直す。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第4章 1 玉掛け作業動作の基本例(表4-1、p.68〜72)/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第5章 1(地切り後のいったん停止、p.95)

  3. 問18クレーンでつり荷を運搬している途中で、荷が振れ始めた。このときの対応として、正しいものはどれか。

    1. 玉掛け者がつり荷に近づき、手で押さえてつり荷の振れを止める。
    2. 振れが止まるまで、つり荷の真下で待機する。
    3. 振れたまま巻き下げて、早く床に着ける。
    4. 合図者がクレーンの運転者に合図を送り、荷振れを止めてもらう。
    答えと解説

    正解:4 合図者がクレーンの運転者に合図を送り、荷振れを止めてもらう。

    運搬中に荷が振れても、つり荷を手で押さえてはならない。合図者が運転者へ合図して荷振れを止めてもらう。荷振れのまま巻き下げることもしない。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第5章 1(巻上げ・目的地までの荷の誘導、p.96〜97)/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第5章 1(巻下げ,着地前のいったん停止、p.97)/玉掛け作業の安全に係るガイドライン(平成12年2月24日 基発第96号 別添) 第3 5(1)ホ

  4. 問19角張った荷を玉掛け用ワイヤロープでつるときの方法として、正しいものはどれか。

    1. ロープが荷にしっかりくい込むように、当てものは使わない。
    2. ロープと荷の角の間に当てものをし、ロープと荷を守る。
    3. 角に当たる部分だけ、ロープを細くて柔らかいものに替える。
    4. つり角度を大きくして、ロープを荷の角から浮かせる。
    答えと解説

    正解:2 ロープと荷の角の間に当てものをし、ロープと荷を守る。

    角張った荷にロープを直接掛けると、ロープが鋭く曲げられて傷み、荷も傷つく。角には当てものをして、ロープと荷を保護する。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第3章 4.4 補助具(p.57〜58)/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第5章 1(玉掛け、p.85〜88)

  5. 問20公称径16ミリメートルの玉掛け用ワイヤロープの直径を、同じ断面で3方向から測った平均が14.8ミリメートルであった。直径の減少率と、玉掛けに使えるかどうかの判断として、正しいものはどれか。

    1. 減少は7.5%で、使用できる
    2. 減少は7.5%で、使用できない
    3. 減少は1.2%で、使用できる
    4. 減少は8.1%で、使用できない
    答えと解説

    正解:2 減少は7.5%で、使用できない

    減少率=(16−14.8)÷16×100=7.5%。クレーン等安全規則では、公称径に対する直径の減少が7パーセントを超えるワイヤロープは玉掛け用具として使用してはならない。減少量1.2 mmを割合と取り違えたり、測定値で割ったりしないこと。

    根拠:クレーン等安全規則 第215条第2号/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第3章 5.1 ワイヤロープ(p.59〜60)/計算問題(数値は問題文で与えた)

  6. 問21クレーンの運転者への合図の方法として、正しいものはどれか。

    1. 近くにいる作業者が、危険に気づいた順に誰でも自由に合図する。
    2. 玉掛け者と合図者が、それぞれ同時に合図する。
    3. 合図の方法は、その日の運転者に合わせて毎回変える。
    4. あらかじめ指名された1人の合図者が、定められた合図で行う。
    答えと解説

    正解:4 あらかじめ指名された1人の合図者が、定められた合図で行う。

    事業者は、クレーンの運転のための一定の合図を決め、合図をする者を指名して行わせる。運転者への合図は指名された1人の合図者が行い、事業場で定めた合図を明確に送る。

    根拠:クレーン等安全規則 第25条/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第4章 6 合図の方法(p.78〜79)

  7. 問22地切りするときのフックの位置として、正しいものはどれか。

    1. つり荷の重心の真上
    2. つり荷の端の真上
    3. つり荷の重心から少し離れた運転者側の上
    4. つり荷の最も高い部分の真上
    答えと解説

    正解:1 つり荷の重心の真上

    フックが重心の真上からずれていると、地切りしたときに荷が回ったり横に動いたりする。地切りの際は、フックを荷の重心の真上に合わせる。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第5章 1(フックの誘導、p.84)

  8. 問23玉掛け作業を終えて、フックと荷から玉掛け用具を外した後の手順として、正しいものはどれか。

    1. フックは床の近くまで下げたままにして、次の作業が始まるまで待っておく。
    2. 玉掛け用具をフックに掛けたまま、フックを高く巻き上げておく。
    3. 原則としてフックを床上2メートル以上に巻き上げ、終了の合図を送る。
    4. 玉掛け用具は、外した場所にまとめてそのまま置いておく。
    答えと解説

    正解:3 原則としてフックを床上2メートル以上に巻き上げ、終了の合図を送る。

    作業が終わったら、玉掛け用具はフックや荷に残さずに外し、フックを原則として床上2メートル以上の高さに巻き上げて、運転者に終了の合図を送る。床上2メートル以上は原則であり、作業場の条件によってはこれと異なる高さとすることもある。用具は癖を直して所定の場所にしまう。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第5章 1(作業終了,後片付け、p.99)/厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第4章 1 玉掛け作業動作の基本例(表4-1、p.68〜72)

  9. 問24玉掛け用ワイヤロープを扱う作業で、革手袋を着用する主な目的として、正しいものはどれか。

    1. ワイヤロープを手で握ったまま巻き上げられるようにするため
    2. 切れた素線が手に刺さるのを防ぐため
    3. ワイヤロープのさびを防ぐため
    4. フックの外れ止めの代わりにするため
    答えと解説

    正解:2 切れた素線が手に刺さるのを防ぐため

    ワイヤロープの素線が切れていると、ささくれ立った素線が手に刺さる危険がある。これを防ぐため、ワイヤロープで玉掛けするときは革手袋を着ける。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(玉掛け) 第4章 3.1 服装(p.73)

関係法令の問題(6問)

  1. 問25労働安全衛生法施行令第20条第16号で、就業制限の対象とされている玉掛けの業務として、正しいものはどれか。

    1. つり上げ荷重0.9トンのクレーンの玉掛けの業務
    2. 制限荷重0.5トンの揚貨装置の玉掛けの業務
    3. つり上げ荷重0.8トンの移動式クレーンの玉掛けの業務
    4. つり上げ荷重1トン以上のデリックの玉掛けの業務
    答えと解説

    正解:4 つり上げ荷重1トン以上のデリックの玉掛けの業務

    施行令第20条第16号は、制限荷重が1トン以上の揚貨装置又はつり上げ荷重が1トン以上のクレーン、移動式クレーン若しくはデリックの玉掛けの業務を就業制限の業務としています。1トン以上のデリックはこれに当たります。ほかの3つはいずれも1トン未満なので、この号の就業制限の対象ではありません。

    根拠:労働安全衛生法施行令 第20条第16号

  2. 問26クレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛け用具であるワイヤロープの安全係数として、クレーン則で定められている値はどれか。

    1. 4以上
    2. 6以上
    3. 5以上
    4. 10以上
    答えと解説

    正解:2 6以上

    クレーン則第213条第1項は、玉掛け用具であるワイヤロープの安全係数を6以上としています。安全係数は、ワイヤロープの切断荷重の値を、そのワイヤロープにかかる荷重の最大の値で割った値です(同条第2項)。フック・シャックルは5以上、つりチェーンは4以上又は5以上と、用具ごとに値が違います。

    根拠:クレーン等安全規則 第213条

  3. 問27クレーン則第29条で、つり上げられている荷の下への立入りを禁止しなければならないとされている対象として、正しいものはどれか。

    1. その事業者に直接雇われている労働者だけで、請負人などほかの者は対象にならない
    2. 玉掛けをする者だけで、合図を行う者や周りの作業者は対象にならない
    3. その作業場で作業に従事する者で、事業者に雇われた労働者以外の者も含む
    4. クレーンの運転者だけで、地上で作業をしている者は対象にならない
    答えと解説

    正解:3 その作業場で作業に従事する者で、事業者に雇われた労働者以外の者も含む

    クレーン則第29条は、所定の場合に、その作業場において作業に従事する「作業従事者」が荷の下に立ち入ることを禁止するよう求めています。作業従事者は、事業を行う者が行う仕事の作業に従事する者をいい(第26条)、雇用されている労働者に限りません。第27条でも、請負人に係る作業従事者が含まれることが示されています。

    根拠:クレーン等安全規則 第29条/クレーン等安全規則 第26条/クレーン等安全規則 第27条第1項

  4. 問28玉掛け用具の作業開始前の点検について、クレーン則第220条の定めとして正しいものはどれか。

    1. その日の作業を開始する前に異常の有無を点検し、異常を認めたら直ちに補修する
    2. 1週間に1回点検し、異常があれば次の定期自主検査のときに補修する
    3. ワイヤロープだけを点検すればよく、フックやシャックルなどの金具は点検しなくてよい
    4. 作業を開始する前の点検は、新品の玉掛け用具を使う日だけ行えばよい
    答えと解説

    正解:1 その日の作業を開始する前に異常の有無を点検し、異常を認めたら直ちに補修する

    クレーン則第220条は、ワイヤロープ、つりチェーン、繊維ロープ、繊維ベルト又はフック、シャックル、リング等の金具を用いて玉掛けの作業を行うときは、その日の作業を開始する前に異常の有無を点検し(第1項)、異常を認めたときは直ちに補修しなければならない(第2項)としています。

    根拠:クレーン等安全規則 第220条

  5. 問29定格荷重をこえる荷重をかけて使用することについて、クレーン則の定めとして正しいものはどれか。

    1. クレーンは、事前の手続きなしに、荷重試験でかけた荷重まで使用することができる
    2. 移動式クレーンも、特例報告書を出せば定格荷重をこえて使用することができる
    3. クレーンの特例を使うときでも、作業を指揮する者を指名しなくてもよいとされている
    4. 移動式クレーンには、定格荷重をこえる荷重をかけて使用することを認める特例はない
    答えと解説

    正解:4 移動式クレーンには、定格荷重をこえる荷重をかけて使用することを認める特例はない

    クレーン則第69条は、移動式クレーンに定格荷重をこえる荷重をかけて使用してはならないとし、例外を設けていません。クレーンは第23条第2項で、やむを得ない場合に、あらかじめクレーン特例報告書を監督署長に出し、荷重試験で異常がないことを確かめ、作業を指揮する者を指名してその直接の指揮のもとで作動させるときに限り、荷重試験でかけた荷重まで使用できます。

    根拠:クレーン等安全規則 第23条/クレーン等安全規則 第69条

  6. 問30外れ止め装置の使用について、クレーン則の定めとして正しいものはどれか。

    1. 外れ止め装置は、つる荷の質量が1トン以上になるときにだけ使用すればよいとされている
    2. 移動式クレーンを用いて荷をつり上げるときは、外れ止め装置を使用しなければならない
    3. 玉掛けをする者が手でワイヤロープを押さえていれば、外れ止め装置は外してよい
    4. 外れ止め装置の使用は、天井クレーンを用いる場合についてだけ定められている
    答えと解説

    正解:2 移動式クレーンを用いて荷をつり上げるときは、外れ止め装置を使用しなければならない

    クレーン則第66条の3は、移動式クレーンを用いて荷をつり上げるときは外れ止め装置を使用しなければならないとしています。クレーンについても、第20条の2で、外れ止め装置を具備するクレーンで荷をつり上げるときはそれを使用することとしています。荷の質量による例外や、手で押さえることによる例外はありません。

    根拠:クレーン等安全規則 第66条の3/クレーン等安全規則 第20条の2

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