玉掛け技能講習の費用・日数・取り方|全国の相場と都道府県別の安い講習所

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ヘルメットと革手袋、電卓とシャックルが置かれた机の上

つり上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーン(ユニック車・ラフタークレーンなど)、デリックにワイヤロープやベルトスリングで荷を掛けたり外したりする仕事には、玉掛け技能講習の修了証が必要です。

この記事では、全国47都道府県の登録教習機関544か所(一般の人が受けられる会場)の公式サイトを2026年10月に調査したデータをもとに、コース別の費用相場、47都道府県別の最安・中央値、申し込みから修了証交付までの流れ、実技の持ち物、費用を安く抑える方法をまとめました。

玉掛け技能講習とは?(1トン未満の特別教育との違い)

工場の天井クレーン、倉庫のホイスト、建設現場の移動式クレーンなどで、フックに玉掛け用具(ワイヤロープ・つりチェーン・ベルトスリングなど)を使って荷を掛け外しする作業を「玉掛け」といいます。

労働安全衛生法第61条(就業制限)およびクレーン等安全規則第221条により、つり上げ荷重が1トン以上のクレーン等の玉掛け業務に就くには、都道府県労働局長登録教習機関で行われる「玉掛け技能講習」を修了しなければなりません。

資格の種類 作業できるクレーン等の範囲 講習の時間 実施場所・試験
玉掛け特別教育 つり上げ荷重 1トン未満 のみ 9時間(学科5時間+実技4時間) 事業場(社内教育)または教習機関/法定の修了試験なし
玉掛け技能講習 つり上げ荷重 1トン以上すべて(上限なし) 19時間・16時間・15時間 労働局長登録教習機関のみ/学科試験・実技試験あり

現場にある天井クレーンや車両積載形トラッククレーン(ユニック車、つり上げ荷重2.9トン〜2.93トンが主流)のほとんどは1トン以上のため、仕事で使うなら最初から上限のない玉掛け技能講習を受けるのが一般的です。1トン未満との詳しい違いは玉掛けの特別教育と技能講習の違いにまとめています。

玉掛け技能講習は何時間・何日かかる?(19時間・16時間・15時間)

根拠となる玉掛け技能講習規程(昭和47年労働省告示第119号)では、原則のカリキュラムは学科12時間+実技7時間=合計19時間と定められています。

区分 科目(告示の名称) 時間 主な内容
学科(12時間) 1. クレーン、移動式クレーン、デリック及び揚貨装置に関する知識 1時間 クレーン等の種類・構造・安全装置(巻過防止装置・過負荷防止装置など)
学科 2. クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識 3時間 力とモーメント、重心、質量の目測(体積×比重)、つり角度と張力
学科 3. クレーン等の玉掛けの方法 7時間 ワイヤロープ・ベルトスリングの選定、安全係数6、掛け方、合図、退避
学科 4. 関係法令 1時間 労働安全衛生法・クレーン等安全規則の玉掛け関係条文
実技(7時間) 5. クレーン等の玉掛け 6時間 質量の目測、玉掛け用具の選定・点検、荷の掛け外し、地切り、移動
実技 6. クレーン等の運転のための合図 1時間 手・指・笛(ホイッスル)・旗による合図と指差し呼称

すでにクレーン関係の資格や玉掛けの実務経験がある人は、規程第3条・第4条により、16時間または15時間に短くなります。

時間区分 免除される科目 受けられる人(主な条件) 日数の目安
19時間 免除なし 玉掛け・クレーンの資格や経験がない人(普通免許の有無は関係なし) 3日間(学科2日+実技1日)
16時間 学科「玉掛けの方法」が7時間から6時間に、実技「玉掛け」が6時間から4時間(応用作業)に短くなる つり上げ荷重1トン以上のクレーンなどの玉掛けの補助作業、または1トン未満の揚貨装置の玉掛けの業務を6か月以上した人(第4条第1項) 3日が多い
15時間 A:学科「力学」(3時間)+実技「合図」(1時間)
B:16時間の内容から、実技「合図」(1時間)を除く
A:クレーン・デリック運転士免許、移動式クレーン運転士免許、揚貨装置運転士免許を持つ人、床上操作式クレーン・小型移動式クレーンの技能講習を修了した人(第3条)
B:つり上げ荷重1トン未満のクレーン、移動式クレーン、デリックの玉掛けの業務を6か月以上した人(第4条第2項)
2〜3日(3日が多い)

このほか、労働安全衛生法施行令第20条第6号・第7号の業務(つり上げ荷重5トン以上のクレーン、つり上げ荷重1トン以上の移動式クレーンの運転)や、労働安全衛生規則第36条第6号・第15号〜第17号の業務(制限荷重5トン未満の揚貨装置、つり上げ荷重5トン未満のクレーンなど、1トン未満の移動式クレーン、5トン未満のデリックの運転)を6か月以上した人などは、実技「合図」(1時間)だけが免除されます(第3条)。この区分は料金の集計に入れていないので、対象の人は講習所に確かめてください。

普通自動車免許や大型特殊免許を持っていても、玉掛け技能講習の時間は短くなりません。実務経験で短くなるコースに申し込む場合は、勤務先の事業主が証明した「実務経験証明書」の提出が必要です。

玉掛け技能講習の時間区分(19時間・16時間・15時間)と対象の人、全国の真ん中の値
19時間・16時間・15時間の違いと、全国の真ん中の値

時間区分別の費用相場(全国544か所の集計)

全国47都道府県の登録教習機関544か所のうち、公式サイトで料金(テキスト代込み・税込)が確認できた会場の集計結果です。

講習の時間 料金が分かった講習所 最安(一般) 真ん中の値(中央値) 半数が入る範囲(25%〜75%) 最高
19時間(免除なし) 438か所 16,005円 27,830円 25,300円〜30,000円 52,800円
16時間(玉掛けの方法1時間・実技の玉掛け2時間を短縮) 103か所 18,700円 23,100円 21,450円〜26,500円 41,700円
15時間(力学3時間+合図1時間の免除など) 393か所 13,200円 25,000円 22,605円〜27,000円 41,700円
  • 19時間講習(未経験)の相場は約2.8万円:半数の講習所が25,300円〜30,000円の間に収まっています。
  • 16時間と15時間の金額は単純に比べられない:集計する講習所が違うため、15時間の真ん中の値のほうが高く見えます。両方の料金が分かる90か所で比べると、差の真ん中の値は0円で、同じ講習所では差は小さめです。
  • 都道府県による料金差:19時間講習の真ん中の値を都道府県別に比べると(3会場以上ある県)、安いのは滋賀県(21,000円)・茨城県(21,810円)・愛媛県(23,525円)・広島県(23,678円)、高めなのは石川県(33,500円)・岩手県(32,245円)・奈良県(32,115円)・北海道(32,000円)でした。

申し込みから修了証交付までの流れ(取り方5ステップ)

  1. 自分の時間区分(19時間・16時間・15時間)を確認する クレーン免許・技能講習の修了証や、6か月以上の玉掛け実務経験(事業主証明)がなければ19時間コースを選びます。
  2. 通える範囲の講習所で日程と料金・土日開講を比べる 3日間連続で通うため、自宅や職場から通いやすい会場を選びます。下の都道府県別の料金表で県ごとの相場を比べられます。会場一覧のページがある都道府県は、県名から進めます。
  3. Webまたは電話で予約し、申込書・証明写真・本人確認書類を提出する 人気の土日コースや月末の日程は1か月前に埋まることがあります。免除コース(16時間・15時間)を受ける人は、クレーン等の修了証の写しや実務経験証明書を添えます。
  4. 学科講習(2日間)+学科試験を受ける テキストに沿って講師が重要箇所(試験に出る箇所)を解説します。学科2日目の最後に4択マークシート等の学科試験(約1時間)が行われます。計算問題や試験の合格基準は玉掛け技能講習の学科・実技試験と計算問題で詳しく解説しています。
  5. 実技講習(1日間)+実技試験を受け、修了証を受け取る 3日目は実際のクレーンと荷を使って、①質量の目測、②ワイヤロープ等の選定・点検、③玉掛け・地切り・運搬・荷卸し、④手・笛による合図を練習し、最後に実技試験を受けます。合格すると当日または後日郵送で「玉掛け技能講習修了証」が交付されます。

47都道府県別の玉掛け技能講習の料金一覧

全国47都道府県の玉掛け講習所の数と、19時間コースの最安・真ん中の値、15時間コースの真ん中の値です。会場一覧のページがある都道府県は、都道府県名を押すと各会場の料金・土日の開講・市区町村別の場所がわかるページを開きます。

都道府県講習所はじめて受ける人(19時間)の最安19時間の真ん中の値15時間の真ん中の値
北海道32か所28,080円32,000円27,000円
青森県15か所22,000円24,903円20,600円
岩手県11か所26,730円32,245円28,710円
宮城県16か所24,000円28,000円25,000円
秋田県11か所27,500円30,500円26,980円
山形県6か所27,870円31,365円28,380円
福島県20か所28,080円29,700円25,350円
茨城県20か所20,000円21,810円19,940円
栃木県15か所23,250円26,900円23,200円
群馬県12か所19,305円26,000円24,000円
埼玉県18か所21,480円26,693円23,993円
千葉県22か所23,485円27,500円25,650円
東京都18か所25,000円28,200円25,000円
神奈川県11か所26,400円29,000円25,000円
新潟県15か所19,300円26,535円24,090円
富山県6か所26,500円27,720円23,600円
石川県9か所29,500円33,500円29,433円
福井県7か所26,500円27,555円24,963円
山梨県3か所28,005円29,180円25,880円
長野県6か所23,000円25,150円23,050円
岐阜県7か所26,000円29,000円26,000円
静岡県21か所17,600円29,235円26,000円
愛知県26か所20,000円30,000円27,000円
三重県13か所16,005円27,750円24,900円
滋賀県5か所18,590円21,000円20,000円
京都府10か所22,055円24,903円22,803円
大阪府21か所19,360円26,000円23,550円
兵庫県23か所21,505円27,830円25,630円
奈良県6か所25,000円32,115円27,965円
和歌山県6か所23,000円24,853円23,705円
鳥取県4か所25,905円27,005円23,705円
島根県5か所22,000円24,805円22,605円
岡山県10か所22,550円31,300円25,700円
広島県13か所20,205円23,678円21,505円
山口県8か所24,420円26,565円23,165円
徳島県8か所23,045円27,000円24,200円
香川県7か所25,905円29,003円26,200円
愛媛県7か所23,155円23,525円21,530円
高知県3か所25,905円27,638円24,503円
福岡県17か所17,505円25,850円22,605円
佐賀県4か所27,000円27,005円24,805円
長崎県6か所24,805円26,853円23,500円
熊本県10か所24,805円29,103円27,000円
大分県8か所25,300円27,005円23,005円
宮崎県5か所27,000円28,000円24,000円
鹿児島県12か所25,474円29,290円24,000円
沖縄県6か所23,600円27,500円25,705円

全国で料金が安い玉掛け講習所(19時間コース)

資格・経験がない人の19時間コースで、受講条件(会員限定・在職者限定など)がなくテキスト代込みの料金が安い順に15か所を並べました(2026年10月確認)。

玉掛け技能講習の費用を安く抑える3つの方法

  1. 小型移動式クレーン・床上操作式クレーンを先に修了してから受ける 玉掛けだけではクレーン本体の操作はできません。現場では「小型移動式クレーン(つり上げ荷重1トン以上5トン未満)」や「床上操作式クレーン(5トン以上)」とセットで求められることが多く、どちらかを先に修了すると玉掛けが19時間→15時間に短くなります。両方の料金が分かる390か所で、同じ講習所の19時間と15時間の差は真ん中の値で3,000円(半数は2,200円〜4,000円の間)です。
  2. 教育訓練給付金(一般教育訓練:20%支給)の対象講座を使う 雇用保険の被保険者期間が3年以上(初回は1年以上)ある人は、厚生労働大臣指定の講座を修了すると受講料の20%がハローワークから支給されます(ただし計算した額が4,000円を超えないと支給されないので、受講料などが20,005円以上必要です。玉掛けの指定講座で20,005円以上のもの、または小型移動式クレーンとのセット指定講座が対象になります)。
  3. 会社の資格取得支援・人材開発支援助成金を活用する 業務命令で受講する場合、会社が受講料と日当を負担し、事業主が「人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コースなど)」を受け取れる制度があります。

よくある質問

玉掛け技能講習の費用はいくらですか?
免除がない19時間の講習(3日間)で、全国の真ん中の値は27,830円でした。全国47都道府県の登録教習機関544か所のうち、19時間の料金が分かった438か所を2026年10月に公式サイトで確かめた結果です。半分の講習所は25,300円〜30,000円の間に入ります。
玉掛けの資格は何日で取れますか?
はじめて受ける人(19時間コース)は3日間(学科2日+実技1日)が一般的です。玉掛けの補助作業の経験がある人(16時間コース)は3日が多く、クレーン免許や小型移動式クレーン技能講習を持っている人(15時間コース)は2〜3日(3日が多い)です。
玉掛け技能講習に年齢制限や受験資格はありますか?
受講自体は18歳未満でも受けられる講習所がありますが、年少者労働基準規則第8条第10号により、満18歳になるまではクレーン、デリック又は揚貨装置の玉掛けの業務に就くことができません(荷重の下限はなく、2人以上で行う玉掛けの補助作業を除く)。そのため多くの講習所が18歳以上を対象としています。普通自動車免許は不要です。
土日だけで玉掛けの資格は取れますか?
取れます。全国の玉掛け講習所544か所のうち、207か所で土日を含む日程(土日+平日1日、または週末2週に分けた土日コースなど)が開かれています。
玉掛けと小型移動式クレーンはどちらを先に受けるべきですか?
続けて受けるなら、先に小型移動式クレーン(または床上操作式クレーン)を修了すると、玉掛けの学科「力学(3時間)」と実技「合図(1時間)」の計4時間が免除され、玉掛けが19時間から15時間に短縮されます。